月の大きな日

朝早く目が覚めてバイクに乗る。昨日よりはだいぶ暖かで少し山に入ったりした。
鳶装束でしかも2stバイクの排気ガスの匂いが染み付いている・・・毎朝のようにやってくるローソンの店員は僕を何処の現場の人だろうと思っているようだった。会計の時に少しだけ話し掛けるようなそぶりを見せた店員だったが、そのままだった。
山の道の雪もだいぶ消え、そろそろ山道と呼ばれる道路も走れるようになってきていた。それもまだ時間はかかるだろうが。

会社ではいつもの様に実験を進めた。上司は一日会議で席をはずしていて、しかもたまに戻ってくると深刻な顔をしていて、雰囲気が悪かった。大抵の同僚は年度始めてまだテーマが確定してないためかパソコンに向かうだけで実験をあまりしていない様子。おかげで道具を自由に使えてるのでなんかうれしい(笑)

仕事から帰って、夕飯をいつもの喫茶店で済ませようとKSRに乗り換えでそっちに向かうと、すぐそこのガソリンスタンドでなにやら事故があったらしく、ガラス様の破片が散らばって、トラックが止まっていて、当事者たちが話している姿が見えた。さらにすすむとクラクションの音がして前の車が急にブレーキ、ドンと音がして僕もすかさず急ブレーキ。5mくらいのブラックマークを道路につけて止まった。軽トラが急に道路に出てきたらしく大型トラックの左に軽トラの助手席がぶつかった形になっていた。中の人はどうなんだろうと思いつつ、事故を見ていないのでそそっと、横をすり抜けていった。
茶店でめしを頼む頃に消防車両と、救急車が現場のほうに向かっていった。事故は見るのも怖いなと思う。

押入れを開け物を出す用事があり、目にとまった防具袋。何の気なしに防具袋をあけ、剣道着をだしてみる。久しぶりに見る剣道着、そのまま羽織ってみた。少し藍染めのその匂いがした。